ミミズからの伝言

作者:田中啓文角川ホラー文庫
表題作を含め、グロテスクな話が7本収録。
「ミミズからの伝言」はミミズの養殖で成功した女性がかつての同僚に復讐する話。
「見るなの本」はイジメに会った少年が図書室で禁断の本に出会う話。
「兎肉」はブッダの話をベースにしている。
「秋子とアキヒコ」は二重人格の少女が恋人を殺してしまう話。
「牡蠣食う客」は地球からはるか離れたコロニーで珍妙な料理を振舞われる話。
「赤ちゃんはまだ?」は次期経営者の座を狙う夫婦が子作りに奔走する話。
「糞臭の村」は日本のピラミッドと思われる山で、迷信深い村民と闘う考古学者の話。
冒頭の作品や「牡蠣食う客」「糞臭の村」の異形のモノの記述は悪夢のようで、描写は上手い。
ただ、これらの話のほとんどが、ダジャレがオチになっているから、大半の人は駄作と思うだろう。
でも、この人のベタなダジャレは個人的には嫌いではない。