さよなら、そしてこんにちは

作者:荻原浩光文社文庫
市井で生活する普通の人たちが様々なトラブルに直面する短編集。
笑い上戸の葬儀屋の営業マンや、リストラされた父親が家族を連れ農家を始める話。
テレビの健康番組に振り回されるスーパーの仕入れ担当。
頑固おやじを気取っているが、取材に来てもらいたくて仕方がない寿司店主。
戦隊モノの登場人物に夢中のママ。スケジュールに追われるスローフードの評論家。
若い妻からクリスマスパーティをせがまれる僧侶。
傍から見れば大したことはないのに、当事者たちは真剣に悩む。
仕事をする人たちは、皆上手くやろうとする。だが思い通りにならないことも多い。
そんなシーンを上手く切り取って、面白い話にしている。
この作家はそんなシチュエーションを作るのが上手い。
だが、この作者にしては平凡な出来だった。

さよなら、そしてこんにちは (光文社文庫)

さよなら、そしてこんにちは (光文社文庫)