輝く夜

作者:百田尚樹講談社文庫
永遠の0」でブレイクした作家の短編集。
魔法の万年筆」は会社をリストラされた女性にクリスマスに起きた奇跡。
「猫」は派遣社員の女性が、憧れの社長に近付く話で、1話目に似ている。
「ケーキ」はガンで死にかけの女性が再び生を得て、幸せな人生を送る話。
でも、これはどんでん返しがある。
「タクシー」は鞄職人の女性が、沖縄で出会った男性にフライトアテンダントと身分を査証する話。
「サンタクロース」は、自殺をしようとしたシングルマザーが神父と出会う話。
いずれの話も不幸な女性が主人公で、「ケーキ」は好い話だった。
でも、それ以外の話はこの作家にしては、低調だった。
全体的に悪くないし、「ケーキ」は手塚治虫ブラックジャックの傑作のような出来だった。
この作家は、読者に生きる勇気と希望を描きたいと臭いことを表明している。
こんなことを言える作家はいない。
だからこの作品は今のところ、一番の駄作にしておいてもいい。
今月中に大作が発表されるので、楽しみだ。

輝く夜 (講談社文庫)

輝く夜 (講談社文庫)