二度は行けぬ町の地図

作者:西村賢太|角川文庫
オビに書かれている「逆恨みの青春の日々」と表紙のイラストを見て購入。
中卒の作者が、10代後半に陥った苦境と、留置所で拘束された時を描いた私小説
底辺を這いつくばる無学の主人公には、共感を覚えない。
予想外の行動をした時も、笑える要素もないし、絶望感が消えない。
ラストの「腋臭風呂」も底辺さがリアル過ぎて、重苦しい。
独特の雰囲気に満ちているところは悪くないし、かすかに狂気を感じる。
珍しいタイプの作家の登場だ。もう1作くらいは読もうと思う。

二度はゆけぬ町の地図

二度はゆけぬ町の地図