偽りの血

作者:笹本稜平|幻冬舎文庫
山岳系ライターの深沢は、6年前に兄を自殺で失っていた。
その深沢の前に、死の三日前に兄と結婚していたという女性が現れる。
兄の死の際、深沢は海外で取材しており、女性の話を聞き、不信感を持つ。
兄は、断絶したはずの父親を受取人とする多額の生命保険に加入していた。
疑問を持つ深沢のもとに、亡くなった兄からメールが届く。
北関東の偏屈な家長制度を舞台にした社会派ミステリ。
保険金詐欺から始まり、戸籍制度、殺人の時効まで言及している。
地味な内容だが、この作家の作品はハズレがない。
ストーリーの構築力が非常に上手い作家だと思う。
小杉健治や香納諒一と共に、もっと売れてもいい。

偽りの血 (幻冬舎文庫)

偽りの血 (幻冬舎文庫)