回転木馬

作者:柴田よしき|祥伝社文庫
10年前に夫に失踪された唯は、夫の行方を捜し、夫の探偵事務所を守っていた。
わずかな手掛かりを得て、新潟の佐渡で夫らしき人物が滞在していたことを知る。
唯が夫を探すうちに、訪れる土地で、トラブルを抱えた女性に出会う。
不倫の末、銀座から新潟に流れ、スナックのママをする笙子。
夫と子供を未成年に殺害され、オーバードーズを繰り返す言美。
一方、唯の夫の貴之は、トラブルに巻き込まれた揚句、記憶喪失になっていた。
その時、一緒にいた雪が寄り添い、貴之は記憶を取り戻さないまま夫婦になる。
貴之と唯を匿うペンションのオーナーの存在が、唯から貴之を遠ざけていた。
オーナーは何故、貴之を隠そうとするのか、徐々にその謎が明らかになる。
前半は唯のパートで、後半からは貴之のパートと交互に話が進む。
ミステリーだが、傷を抱えた女性たちの再生が主題で、面白かった。

回転木馬 (祥伝社文庫)

回転木馬 (祥伝社文庫)