国境事変

作者:誉田哲也|中公文庫
新宿で在日朝鮮人の会社経営者がリンチを受けて殺された。
警察は被害者の交友関係と会社への捜査を始める。
捜査一課の東警部補は、被害者の弟でミュージシャンのパトロンとなっている男に不信感を持つ。
一方で、公安は北朝鮮を脱北した軍人が、被害者の会社に接近していたことをつかんでいた。
公安の捜査グループは捜査一課に気付かれないよう、監視を続行していた。
公安は、脱北軍人が小型の核兵器アメリカルートから手に入れたと考えていた。
東警部補はリンチ殺人の犯人を、公安は脱北軍人を追い、東京から西へ移動していく。
国家の安全を守るために身内の犠牲も偽装する公安。
とにかく容疑者を逮捕することしか念頭にない警察官の東。
警察と公安は互いに交わることなく、敵愾心を持ったまま、対馬に向かう。
繰り広げられる銃撃戦。最後に暴かれる公安のスパイ。
一気読み出来る展開と登場人物のエピソードの造詣は上手い。
でも、読み終えると本作はこの作者にしては、そんなに面白いとは思わなかった。

国境事変 (中公文庫)

国境事変 (中公文庫)