せん-さく

作者:永嶋恵美|幻冬舎文庫
長野に住む29歳の主婦典子は、ゲームサイトで知り合った人たちのオフ会に参加する。
そこで15歳の少年遼介と出会うが、家出を考えている彼に付き合うことにする。
夜行列車に乗り、直江津から敦賀に向かう途中、両親を殺害したことを告げられる。
驚いた典子だが、私生活につまらなさを感じている彼女は逃避行をともにする。
盗んだ車で丹後半島をドライブしていると、典子は浮浪者をはねてしまう。
死体をトランクに運び込み、車を放棄し、大阪に向かう二人。
京都では呼び止められた警官を撲殺。徐々に追い詰められる二人は夜行バスに乗る。
実は典子にも後ろ暗い過去があり、両親を殺害した遼介に共感する訳が明らかになる。
29歳の平凡な主婦と、登校拒否の15歳の少年との組み合わせは違和感があるが、話は面白い。
ただ、清楚な雰囲気の典子の過去の話は極端すぎて、人物描写が崩れてしまっている。

せん‐さく (幻冬舎文庫)

せん‐さく (幻冬舎文庫)