ブラックローズ

作者:新堂冬樹幻冬舎
テレビドラマの制作現場のドロドロとした感情を描いた作品。
父を自殺で失った唯は、仇であるドラマ界の帝王の仁科に接近する。
父と同じプロデューサーになった唯は、仁科を蹴落とすために視聴率の取れるドラマを企画する。
それは500万部を超えるベストセラーの「サムライ刑事」の実写化だった。
作家を丸めこみ、キャスティングもプロダクションを手玉にとり、クランクインにこぎつけた。
だが仁科からの妨害により、主役のアイドル男優が大怪我を負い、代役を探す羽目になる。
唯も「サムライ刑事」の話題作りをメディアにリリースする一方、仁科に打撃を与える。
「サムライ刑事」は初回から30%を超える視聴率を獲得するが、唯は現状に満足しない。
周りのスタッフの反発を買いながら、ヤラセもどきの行動に出る。
唯と仁科が火花を散らす中、「サムライ刑事」の視聴率はついに40%を突破。
仁科を追い落とす最後の仕上げに入る唯だが、落とし穴が待っていた。
視聴率を取るためにはありとあらゆる手を尽くし、それが卑劣だとしても躊躇なく実行する唯。
話はそこそこ面白いが、この作家にしては毒っ気が薄く、新堂ファンに望まれる作品ではないと思う。

ブラック・ローズ

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