朝鮮人

小学生のころの話だけど、野村という勉強も運動もできる同級生がいた。
当然、人気もあったのだが、クラスメイトの中島が「あいつは朝鮮人だ」と言い始めた。
そのころから、いじめが発生したわけではないが、なんとなく野村への風当たりは変わってきた。
ある日の授業中、野村の母親が教室に乱入してきた。
「うちの息子のどこが朝鮮人ね!」と、中島に迫り、戸籍の移しを顔に叩きつけた。
まあ、そんなもので日本人か朝鮮人かは当時はわからなかったし、母親の行動が異常だと思った。
野村はその後、引っ越してしまい、消息はわからない。
中島は中学に進むと、シンナーを覚え、ラリってしまい、昼間でも放尿しながら、歩いている姿を見た。
そんな異常な行動を続け、無免許でバイクに乗り、電柱に特攻し、死んだ。14歳だった。
実は中島のほうが在日朝鮮人だったことを後から知った。親は野菜の行商のようなことをしていた。
大阪は在日も同和も多い。同和はそこの地域に入らないとわからないが、在日はどこにでもいた。
年を経て、知り合った在日朝鮮人には男気あふれるナイスガイや、めっちゃ別嬪もいた。
でも、在日については、中島の印象が強すぎる。