RAGE

RAGEはドイツのヘヴィメタルバンドで、ボーカル&ベースのピーヴィが中心人物。
キャリアは20年を超えており、メンバー交代は頻繁で、トリオ編成が基本だが、4人だったこともある。
ドイツのヘビメタと言えば、スコーピオンズ、アクセプト、ハロウィーンが代表的だ。
でも、自分はこのバンドが一番気に入っている。スピード感、独創的なメロディ、おかしなリズム。
ピーヴィの野太いボーカルも特徴的で、ユニークなバンドだが、知名度はそれほど高くない。
もっと評価されてもいいバンドだと、常々思っている。
ただ、自分の場合、ヘビメタを聞きまくったのは学生時代で、その後は聞いたり、聞かなかったりだ。
社会人になってからは、満たされない時期にヘビメタを聞いたように思う。
RAGEに関しても、すべてのアルバムを聴いたわけではないが、結構お気に入りの期間は長い。


『TRAPPED!』1992年発表
3曲目の「Enough Is Enough」のキャッチーなサビのメロディに非常にオリジナリティを感じた。
他には、「Medicine」「Questions」「Power And Greed」など中盤に強力なスピードの曲がある。
さらに、12曲目にアクセプトの名曲「Fast as a Shark」をカバー。曲も粒ぞろいで、初期の名盤。

Trapped!

Trapped!


『The Missing Link』1993年発表
この作品で、トリオ編成がいったん終了する。ギタリストのマンニの才能が惜しまれる。
これは、RAGEの中でも1、2を争う名盤で、いわゆる捨て曲はほとんどない。
スピーディで、メロディアスな「Refuge」や「From The Underworld」などの佳曲に加え、長尺の曲も展開がいい。
終盤の「Raw Caress」は個人的にRAGEの中でナンバーワンの曲だと思っている。

Missing Link

Missing Link


『Black In Mind』1995年発表
4人編成になった1作目。音は分厚くなり、「Sent By The Devil」などの名曲もある。
曲の出来も良くなったように思うが、すぐに飽きた。それはギターの二人のプレーがあまりにも平凡だからだ。
聞いた当初は、気に入っていが、その後、あまり聞かなくなった。
日本版ボーナスの曲もあるが、15曲は多すぎるし、削った方が良かっただろう。
一般的には、一番評価されている作品かもしれないが、前作の方がはるかに良い。

BLACK IN MIND-REMASTERED

BLACK IN MIND-REMASTERED


『End Of All Days』1996年発表
4人編成になった2作目。実はこの作品がRAGEにのめりこむきっかけになった。
これが個人的にはRAGEの初体験。このころ、社会人になってから、何だか行き詰まりを感じていた。
へヴィメタなんて、何年も聞かなくなっていたのだが、久々に「Burrn」を見て、この作品を買った。
これが1曲目から、ツボにはまった。パンキッシュでメロディアスでダークだと思った。
1曲目から5曲目までの展開がたまらなく気に入った。へヴィメタを再び聞くことになった導火線のような作品。
でも、今の評価はあまり高くない。今でも1曲目から5曲目は好きだが、その後の曲のクオリティは低い。
たぶん、RAGEの中では一番聞いた作品。思い入れはあるが、過去の作品の方がお勧め。

END OF ALL DAYS-REMASTERE

END OF ALL DAYS-REMASTERE


で、その後の『Thirteen』曲の失速感で失望し、いつの間にかRAGEを聴かなくなった。
4人編成も解体され、ピーヴィ以外のメンバーは去り、またトリオ編成で活動を再開。


『UNITY』2002年発表
へヴィメタへの熱がさめ、東京に移ってきた直後に聞いた作品。
新しいロシア人のギタリストと、アメリカ人のドラマーによる編成はダイナミックだった。
曲も良くなったが、少しフックに欠けるところもあり、RAGEのことは忘れてしまった。
今聴くと、「INSANITY」や「DOWN」「WORLD OF PAIN」「SEVEN DEADLY SIN」などいい曲だなと思う。

Unity

Unity


『Carved In Stone』2008年発表
今日、このエントリを書くのは、この作品を聴いたからだ。
先日、Disk Unionで中古CDを何枚か買った。その中にこの作品が入っていた。
もうRAGEには興味はなかったが、これには驚いた。
従来のRAGEのテイストにギタリストのアンドレの才能が溢れている。
2曲目の「Drop Dead」は一発で気に入った。この他の曲も充実している。
今までピーヴィが披露してきたRAGE節に、メジャーな歌メロが乗っかっている。
それなのに、展開もギターソロもオリジナリティに溢れている。
変態的な存在が、いったん普通のフィルタに通され、アンドレがさらにオリジナリティを加えている。
恐れ入った。でも、これピーヴィは気に入っているのだろうかと心配にもなる。
主導権が奪われたように思うが、現時点では、RAGEの最高傑作だと思う。

Carved in Stone

Carved in Stone