俺たちの宝島

作者:渡辺球講談社文庫
近未来の東京。ゴミ捨て場と化した島で生活する鉄夫を中心とする少年達の物語。
鉄夫は廃車に住み、ゴミの山の中から様々な品をサルベージし、島外の人と物々交換していた。
酒と食べ物があれば、特に必要なものはなく、気ままな生活を送っていた。
だが、犬井という男が少年たちの前に現れ、階級社会を作ろうとする。
鉄夫たちは犬井と闘い、自由を守るが、島を出ていくことになる。
その後、新しいゴミの山に住み着いた鉄夫たちに、昭和堂という古物商が接近する。
昭和堂は疑似通貨を鉄夫たちに流通させ、貧富の差を植え付け、仲間の分断を図る。
現代社会を皮肉った童話のような作品で、面白く読んだ。
登場人物に少し魅力がなかったように思うが、乞食たちにそれを求めるのは酷か?

俺たちの宝島 (講談社文庫)

俺たちの宝島 (講談社文庫)