君が悪い

作者:新堂冬樹|光文社
中学教師の竹林は、真面目な性格だが、妻と離婚後、スナックで働く桃華に入れあげていた。
桃華を誰にも渡したくない。そういう想いから、彼女に言い寄る客を口論になる。
相手は鉄という男で、気押され気味の屈辱の中、竹林はスナックから逃げ出す。
鉄は竹林の自宅までやってきて、押し問答となる。もみ合っているうちに、竹林は鉄を殺してしまう。
パニックになった竹林だが、自宅で死体の処理をする。鉄の遺体を切断し、冷蔵庫に保管する。
その後、桃華が自宅に訪ねてくるが、鉄の死体を見つけられ、彼女も殺害してしまう。
二人の死体を山に捨てに行こうとするが、隣家の主婦に目撃されてしまう。
自分は悪くない、見た奴が悪いのだと、死体は増えていく。
杜撰な殺害を続け、当然警察にマークされるようになるが、見苦しい言い訳でその場を乗り切る竹林。
だが、徐々に追い詰められていく。気弱な小市民が自ら犯す犯罪と狂気を描いた作品。
相変わらず読みやすく、面白いのだが、雑な印象も否めない。
最近、立て続けに作品を出しているが、クオリティが下がっている。これは少しマシな部類。
小市民で、殺人鬼という新機軸なのだが。

君が悪い

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