BOX!

作者:百田尚樹太田出版

  • あらすじ

高校教師の耀子は、電車の中で不良に絡まれているところを一人の少年に救われる。
少年は耀子の勤める高校の生徒で、ボクシング部に所属ずる鏑矢だった。
耀子はその後、ボクシング部の顧問になり、鏑矢の活躍を見守る。
同じころ、鏑矢の幼馴染で、苛められっ子だった木樽もボクシング部に入部する。
木樽は監督の沢木の指導を受け、少しずつ実力をつけていった。
一方鏑矢は、天性の素質を持ちながら、練習嫌いで、スタミナがなかった。
全国大会に進出した鏑矢は、ベスト8で敗れ、その後も肝心なところで負けてしまう。
高校ボクシング界の怪物の稲村に負けた鏑矢は、ショックを受け、ボクシング部を退部する。
木樽は監督の指導を受け、才能を開花させ、新人戦で優勝する。
鏑矢は荒れるが、幼馴染の木樽や耀子の説得を受け、もう一度ボクシングを始める。
復活した鏑矢は、高校インターハイの大阪大会で、稲村、木樽と代表をかけて争う。

  • 感想

600ページ近い長編だが、これは文句なしに面白かった。
天才児鏑矢の活躍と挫折、復活。木樽の地道な努力と驚異の成長力。
二人の活躍に加え、他の部員達の成長と、仲間の死など、劇的なシーンもあり、飽きさせない。
高校ボクシングの試合が極めて短いラウンドで行われるので、スピード感もある。
また、ボクシングに詳しいトレーナーや監督たちのうんちく話も興味深かった。
何より、クライマックスの対決に向かう流れがたまらなく良い。
まるで少年漫画か映画のようで、一気に読めた。

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