蝶狩り

作者:五條瑛|角川文庫

  • あらすじ

東京の浜松町で人探し専門の調査会社を営む桜庭は、主に失踪女性を探し出していた。
同じフロアの事務所にはビル所有の御曹司で友人の樋林が「逃がし屋」を開いている。
また親友にはやくざの2代目の松村がおり、仕事が行き詰ったときには利用していた。
新宿や渋谷で姿を消した女性を探し出し、最初は短編小説かと思わせる。
だが、桜庭が密かに心を寄せていたキャバクラ嬢のキリエが失踪し、桜庭はトラブルに巻き込まれる。。
ヤクザの目を盗んで、ぼったくりバーを経営していた男が逮捕され、金庫番が失踪した。
金庫番の男はキリエに目をかけており、大金を覚醒剤に変え、キリエに託した。
ヤクザの手に落ちる前にキリエを見つけ出そうと、桜庭は必死に探し始める。
ヤクザをだまし、窮地に陥るが、樋林や松村の助けもあり、ようやくキリエを見つけ出す。

  • 感想

話自体はまあまあ面白かった。でも、どうもすっきりしない内容だった。
主人公が普通過ぎて魅力がないところや、樋林や松村の中途半端な超人ぶり。
キリエの頑ななまでに人に心を開かないところなど、人物描写に難があるのだろうな。
結末も「おい、そんなんで終わりか」という失望感が少しあった。
いかにも続きがありそうなラストだが、これじゃ続きは読もうという気にならない。
樋口有介香納諒一に似た雰囲気はあるが、かなり劣る。
別の小説ならもう一冊くらいは読んでみるかもしれないが。