2週間ほど前、大阪の本町を歩いていると、路上でひっくり返っていた蝉がいた。
何気に見ていると、くるりと回転し、飛び始めた。低空飛行だ。
蝉はそのまま、正面から歩いてくる禿のおっさんにアタック。
おっさんはみっともないくらい、慌てふためいていた。
蝉は振り払うおっさんの手にまとわりつくように飛んでいた。
おっさんから樹液の成分でもでていたのだろうか?
あれはビビるだろうなと思い、あまり笑えなかった。
で、先日東京に戻ってきて、自宅のエレベータに乗ると、蝉が転がっていた。
嫌な予感がしたが、そのまま乗り込んだ。すると、蝉がくるりと回転した。
激しく鳴きながら、エレベータの中を飛び回り、生きた心地がしなかった。
這々の体でエレベータを降りたが、蝉は自宅までついてきた。
翌朝、出勤するために自宅を出ると、扉の前に蝉が転がっていた。
まさかまだ生きていないだろうなと思い、つま先でつついてみた。
すると、蝉は激しく鳴きながら、マンションの外に飛び立って行った。
以前から蝉はきらいだったが、ますます嫌な存在になった。