夜騎士物語

作者:新堂冬樹双葉社

  • あらすじ

「心」は歌舞伎町のホストクラブ「夜騎士」のナンバーワンホスト。
彼の父親は伝説のホスト「吹雪」で、女性に刺殺されていた。
「心」の指名客にはキャバクラ嬢ソープ嬢などがおり、安定した売り上げがあった。
決して女性に無理強いをしない接客態度で、周りの従業員からも信頼が厚かった。
そんな折、六本木のナンバーワンホストの「流華」が「夜騎士」に移籍してくる。
「流華」はナンバーワンの座を「心」から奪うと宣言する。
戸惑う「心」だが、徐々に「流華」に負けたくないと思うようになる。
二人の競争は過熱し、「心」にも女性に金を使わせるということに罪悪感を感じなくなる。
常識を逸脱した高級酒と飛び交う札束。「心」は荒み、仲間や彼女は離れていった。
それでも「流華」との勝負はやめられなくなっていた。

  • 感想

黒い太陽」はキャバクラを描いた小説だったが、こちらはホスト業界を描いている。
ホストが女性を口説くテクニックや、同業者の足の引っ張り合いなど面白し、展開は安定している。
ただ、真面目な人間が悪に染まっていくのは、作者のお得意のパターンだが、破滅度は弱い。
頭のいかれた登場人物は出てこないし、残酷シーンもなく、物足りなさがあった。
もう少し違った結末だったら、かなり面白くなったはず。
それでも、一気に読むことができたのは、話が上手いからだろうな。
アマゾンで検索すると、この小説は先に漫画として出版されているようだ。

夜騎士物語―Night Knight Story

夜騎士物語―Night Knight Story