サンマイ崩れ

作者:吉岡暁|角川ホラー文庫
第13回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作

  • あらすじ

精神病院に入院している「僕」は「ゴマ君」というあだ名で呼ばれていた。
ある日台風の災害に襲われた熊野の町をテレビの映像で見て、激しく心を動かされる。
なぜだか、町を救わなければならないと思い込んだ「僕」は病院を脱走し、熊野に向う。
災害対策本部で出会った「ワタナベさん」と現地の消防団員二人と4人で取り残された集落に向かうことに。
その集落は、墓地が土砂で流され、骨壷が露出していた。
骨を元の場所に戻す作業に当たる4人だが、僕に異変が現れ始める。

  • 感想

文章は面白いが、これは使い古されたネタだと思う。一言で片付いてしまう。
これが大賞とは、レベルが下がったとしか思えない。
内容は決して悪くはないのだが、自分には合わないとしか言いようがない。
もう1編の「ウスサマ明王」は意外に面白かった。
明治の後期に起きた八王子の神隠しから、現代の町を壊滅に追い込む妖怪。
自衛隊の特殊部隊が鎮圧に向かい、そこに夜勤明けの刑事が巻き込まれる話。
荒唐無稽だが、これは悪くなかった。
それにしても角川ホラー文庫は質が下がった。なんだか残念。

サンマイ崩れ (角川ホラー文庫)

サンマイ崩れ (角川ホラー文庫)