セリヌンティウスの舟

作者:石持浅海光文社文庫
大時化の海で遭難しかかった6人のダイバー達。彼らはその経験から強い仲間意識をもった。
だが、その中の一人が仲間の前で青酸カリをあおり、自殺を遂げる。
警察の捜査では自殺で処理されたが、仲間の一人が不自然な点を見つける。
彼女の死は本当に自殺だったのか?残された5人は彼女の自殺現場に集まり、推理を披露しあう。
登場人物は5人で、彼女の自殺を助けたのは誰か?という会話劇で終始する。
セリヌンティウスという「走れメロス」で、友のために人質になった男の名前がタイトルになっている。
打算がなく、信頼できる仲間という絆を美しい文体で表現しているのはいい。
でも、自分にはスリルには欠ける作品だと思った。

セリヌンティウスの舟 (光文社文庫)

セリヌンティウスの舟 (光文社文庫)