檻の中の少女

作者:大石圭角川ホラー文庫
画家の長澤は、30歳過ぎで、湘南の海が見えるマンションで孤独な生活を送っていた。
部屋にはテレビもオーディオもパソコンもなく、絵を描く道具があるだけだ。
画商の角田が、外の世界の唯一の窓口で、彼が注文する絵を描き、生活費を得ていた。
あるとき、角田は少女の肖像を描いてみないかと提案する。
角田は鈴木楼蘭という11歳の少女を紹介し、長澤は楼蘭の絵を描き始める。
楼蘭は水商売の母親と二人暮しで、日常的に虐待を受けていた。
長澤は楼蘭を哀れに思い、子供らしい生活を送らせようとする。
長澤の描く楼蘭の絵は評判がよく、角田は楼蘭のヌードを描くことを提案する。
強い抵抗感があった長澤だったが、楼蘭が同意したことで、ヌードを描くことになった。
初めて楼蘭の裸体を見た長澤は衝撃を受け、やがて一線を越えてしまう。
長澤は激しい後悔に苛まれながら、二人は会うたびに身体を重ねるようになる。
やがて、楼蘭の母親に二人の関係がばれ、破局が近づいてくる。
この人の小説には、ナイーブな猟奇犯罪者を魅力的に描くという特徴がある。
この小説も長澤の心情が細やかに描かれているが、ロリコンはダメだ。
話は面白いのだが、11歳の子供を犯すシーンは受け入れられない。

檻の中の少女 (角川ホラー文庫)

檻の中の少女 (角川ホラー文庫)