初恋よ、さよならのキスをしよう

作者:樋口有介創元推理文庫
私立探偵の柚木草平シリーズ2作目。相変わらず気障な台詞回しで話が進むが、話は面白い。
柚木が娘を連れ、スキー場に行くと、高校時代の同級生の実可子と20年ぶりに出会う。
柚木の初恋の女性は、雑貨店のオーナーになっていたが、出会ってまもなく、店の中で殺害される。
警察は強盗殺人として捜査を始めるが、柚木の元に実可子の姪が訪れ、調査を依頼する。
柚木はかつての同級生に話を聞いて回るが、彼女の悪い噂を聞くことになる。
高校時代の過去の思い出を振り返りながら、大人になった自分を自嘲し、柚木は犯人に近づく。
推理小説として読むより、青春小説としてとらえたほうが面白い。
重くもなく、サラッと読める。こういう小説の存在って意外と貴重なのかもしれない。