交渉人遠野麻衣子・最後の事件

作者:五十嵐貴久幻冬舎
警視庁広報課に勤める遠野警部は、銀座で不審な電話を受ける。
かつて「地下鉄爆破テロ」を起こし、死刑が求刑されている教祖の釈放を求める内容だった。
電話が切れると同時に、目前で交番が爆発し、火達磨となった警官が路上に倒れた。
シヴァを名乗る犯人は、改めて警察に犯行声明を出し、かつての教祖の釈放を要求する。
受け入れられない場合、無差別に爆破を行い、また、交渉の窓口には遠野警部を指定してきた。
遠野警部は過去に病院を舞台にした人質事件を解決し、警察内で交渉人として知られていた。
警察の上層部は遠野を本庁に呼び出し、シヴァとの交渉役を命じる。
警察は秘密裏に事件を解決しようと、警官を動員するが、シヴァは裏を書き、マスコミの目前で第二の爆破事件を引き起こす。
「無差別テロで、犯人は不明」という報道は、都内にパニックを巻き起こし、交通機関はストップしてしまう。
遠野警部は警察のサイトを使い、シヴァに呼びかけをし、発信元を突き止めようとする。
その後、警察のローラー捜査で1人の男が容疑者として浮かぶが、縊死体でホテルで見つかる。
遺書があることから、自殺で片付けるが、遠野警部は真犯人は別にいると考える。
これは面白いミステリーで、スリルのあるデッド・リミテッド小説だった。と同時にパニックに陥る都内の描写もよかった。
前作「交渉人」も面白かったが、これはそれを上回る内容だった。表紙が地味なので損をしている。
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