夢の終わりとそのつづき

作者:樋口有介創元推理文庫
妻と離婚し、警察を退職した35歳の柚木は、刑事事件専門のライターとして生計を立てていた。
そんな彼の事務所に、絶世の美女が訪ねてきて、仕事を依頼した。
1週間、ある男を尾行して欲しい。簡単な仕事のはずだった。
だが、尾行3日目に、男は死亡する。直前まで飲み食いしていたのに、死因は餓死。
柚木は、やる気の無いスナックの経営者の夢子と調査をするが、原因は全くわからなかった。
その後、依頼者の美女が、調査の中止を告げ、直後に彼女は死んでしまう。
彼女の傍らには、餓死した男の死体が転がっていた。
依頼者の素性はいったい誰なのか?死ぬ直前まで元気だった人がなぜ餓死するのか?
柚木は調査を続けるが、国際的な組織が見え隠れし、柚木は危機に陥る。
一見、ハードボイルドのようだが、実はコメディの要素がかなり強い。
気取った柚木の会話内容や、犯人をエイリアンと思い込む幼稚さはなどは、ほとんどギャグだ。
でも、ストーリーが面白く、テンポも良いので、一気に読むことができた。
ハードボイルド+ライトノベルという不思議な作風で、柚木の台詞はスベる一歩手前だが、それが良い。
この作品は柚木モノとしてシリーズになっており、これが最初の事件。
面白かった。続編も読もう。

夢の終わりとそのつづき (創元推理文庫)

夢の終わりとそのつづき (創元推理文庫)