ぼくと、ぼくらの夏

作者:樋口有介|文春文庫
高校生の春一は、刑事の父と大きな家で二人暮しをしていた。
母親が離婚をしたため、春一は炊事・掃除・洗濯を担当している。
夏休み中のある日、父から春一の同級生の訓子が自殺したと聞かされる。
訓子が妊娠していたことを知り、春一はヤクザの組長の娘の麻子と原因究明に乗り出す。
同級生や、麻子の知合いの暴走族の聞き込みから、妊娠の原因を知っている人物を探し出す。
だが、その日の夜にその人物はひき逃げ事故で、死亡してしまう。
話が進むにつれ、春一は麻子に惹かれ、春一の父は息子の担任に一目ぼれする。
軽い青春ミステリだが、ストーリーは面白いと思ったし、ミステリーとしてもなかなか。
20年近く前の作品だが、古さは感じない。携帯の無い時代のやりとりなどは懐かしく思った、
ただ、主人公の春一の気取った台詞回しが気に入らなかったが、昔のあだち充の漫画の雰囲気を感じた。

新装版 ぼくと、ぼくらの夏 (文春文庫)

新装版 ぼくと、ぼくらの夏 (文春文庫)