生還者

作者:保科昌彦|新潮社
奥多摩鄙びた旅館が、台風による土砂崩れで押しつぶされた。
20人以上の犠牲者を出し、4日後に6人の生存者が救出される。
生存者の一人の「僕」は、事故で彼女を失うが、相変わらず図書館で司書を勤めていた。
ただ、心に傷を負い、おかしな言動で周りの人を戸惑わせていた。
そんな中、生存者の一人が事故で死に、別の一人が街の不良少年達に撲殺される。
不審に思った「僕」は原因を調べ始めるが、また一人姿をくらませてしまう。
生存者の6人は押しつぶされた旅館の中で、互いに懺悔話をしていた。
その懺悔と同じような内容で、生還者が一人ずつ消えていく。
中盤までミステリアスな雰囲気に満ち、黒い表紙に浮かぶ表紙も不気味だ。
だが、結末は面白くない。設定が良いだけにもったいない作品。

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