京都 影の権力者たち

編:読売新聞社京都総局|講談社α文庫
古都京都をとりしきる闇の権力構造に迫ったルポルタージュ
「白足袋に逆らうな」という警句から、この街独特の雰囲気が垣間見える。
この本で取り上げられているのは、僧侶、家元、花町衆、皇室出入業者、室町商人、共産党
共産党以外は、京都にいなければお目にかかることができない。
彼らのこだわりを持った生き方や作法は、あまり知られていない世界で面白かった。
ただ、過去から連綿と続く伝統にしがみつくことについては、中途半端な選民思想かなと思う。
伝統を守り続けることに価値はあるのだろうが、自分達の生活には関係ないところで生きている。
大阪人から言わせてもらうと、やはり京都は排他的なところだと感じた。
興味深く読んだが、15年ほど前のルポなので、今更という感じで残念。
何で、こんな古いものが文庫の新刊で出るのだろう?むしろこっちの方が不審だ。

京都 影の権力者たち

京都 影の権力者たち