夜桜

chiyodaku2007-04-03

喧騒と人ごみの中が嫌いなので、近所の桜を見ることはなかった。
でも、桜は好きだし、静かなところで酒を飲みながら、しみじみ見上げたいと思った。
日曜日の深夜にポケットボトルに焼酎のお湯割りを入れ、千鳥が淵近辺の桜を見に行った。
正確には日付の変わった月曜日の1時過ぎだ。さすがに人はほとんどいなかった。
ライトアップされているはずの照明も消えていて、暗いお堀にぼんやりと白く見えるだけだった。
それでも風の音と、花びらがはらはらと落ちる様を見つめていると、雰囲気は十分。
路上禁煙地区だが、誰もいない時間だし、ポケット灰皿を携帯しているのでタバコを吸った。
酒を飲みながら、あと何回桜を見ることができるのかななんて、とりとめもないことを考えた。
移動して、北の丸公園の入り口の街灯に照らされた桜を携帯で撮影していると、警官に呼び止められた。
ポケットビンを持ち、薄汚い格好だったが、「近くに住むものだ」と答えると、すぐに解放してくれた。
それにしても、お堀に向かって、下に伸びる桜は素晴らしい眺めだった。