終着駅

作者:白川道新潮文庫
自分の生き方に疑問を感じた50歳手前のヤクザが、盲目の女性に出会い、足を洗おうとする話。
岡部は、若い頃に両親と恋人を失い、ヤクザとなり、組内から「死神」と恐れられていた。
だが、偶然出合った盲目の女性かほるに、「生きている匂いがしない」と言われ、衝撃を受ける。
かつての恋人の弟の謙介の妻子が、自分の所属する組員に殺害されたこともきっかけとなった。
ヤクザから足を洗う決意をした岡部だが、組の内紛に巻き込まれてしまう。
600ページを超える長さだが、飽きさせない展開で、一気に読めた。
かほるとの純愛と、ヤクザの舎弟たちとの暑苦しい友情。
面白いが、油ギトギトのチャーハンを食べたような読後感だった。

終着駅 (新潮文庫)

終着駅 (新潮文庫)