ツーカイ!金剛地くん

作者:戸梶圭太徳間書店
三流スポーツ紙で、2時間ドラマのテレビ評を書いている金剛地の迷惑極まりない存在を描いた怪作。
金剛地東西新聞の記者だが、醜い容姿と倣岸不遜な態度で周りから恐れられていた。
大手新聞社に自分のテレビ評を盗作されたと思い込み、不法侵入をして、謹慎処分となる。
その後、カルチャーセンターで文章の書き方教室の講師となり、頭のイカれた弟子を獲得する。
弟子とアル中の妻が自宅で不倫をしているのを目撃した金剛地は、動転し、自宅を飛び出し、トラックにはねられてしまう。
記憶喪失になった金剛地は、さらに騒動を起こし、運転していたバンとともに隅田川に水没する。
海に流された金剛地岡山県で発見されるが、吸血鬼扱いされ、自称吸血鬼ハンターに狙われることになる。
大型台風が直撃した岡山で、かつての上司と共に吸血鬼ハンターを撃退し、金剛地は記憶を取り戻す。
単なる嫌なオヤジを描いた小説かと思ったら、波乱万丈のストーリー展開だった。
小説としては最悪だが、何故かこの人の作品は読んでしまう。
徹底的に人を攻撃する言葉のボキャブラリーが尽きることがないのが、気に入っている。
今回も破綻した小説だったが、少し根本敬の漫画の不条理なテイストが加味されていた。
自分は好きだが、あまり人には勧められない。

ツーカイ!金剛地くん

ツーカイ!金剛地くん