あいりん地区

放尿ステーションで、あいりん地区の特集を見た。あまり変わっていないので、懐かしかった。
一般的には日雇い労働者や路上生活者の町で、怖くて、汚くて、危ない場所などのイメージがあるだろう。
でも自分は、ライブハウスの「不思議の国のアリス」によく出入りしていたので、周辺には馴染みがある。
もう足を向けなくなって15年になるけど、当時のあの場所のことは、自分にとって余り悪い印象はない。
路上には寝転がった人や、血痕が転々とついていたり、割れたガラスや、何故か注射器が落ちていたりした。
昼間から、酔っ払いがブリックパックの焼酎を片手にフラフラと歩いている姿は多かった。
見えない何かに向かって文句を叫んでいる人もいた。交番はガラスを割られないために、金網で防御されていた。
確かに殺伐としていたが、社会的に弱い人たちが寄り添って生きているという濃密な空気が漂っていたように感じた。
番組ではあいりん地区に住む人たちにまで、格差が生まれていると報じていた。
ただ、高齢者には仕事が回ってこず、若い人に回されるというのは、昔からあったことだと思う。
日雇いにあぶれた人が、空き缶を拾うのという仕事の循環も変わっていないはずだ。
いったい何を訴えたかったのだろうな?
じゃんじゃん横丁は綺麗になってしまったが、あいりん地区は悲しいくらい景色は変わっていなかった。