RIKO−女神の永遠−

作者:柴田よしき|角川文庫
新宿署に勤める村上緑子は、部下の鮎川と共に裏ビデオの出所を捜査していた。
そのビデオは、男達が少年を輪姦するというおぞましい内容で、複数の少年が犠牲になっていた。
捜査を進めていくうちに、被害者が次々と何者かに殺害されていることがわかった。
警視庁と合同捜査本部が置かれたが、緑子にとっては、忘れてしまいたい男達が捜査に加わった。
警部の安藤とはかつて恋仲で、不倫の末、緑子は安藤の妻に刺されるという過去があった。
また、その前に付き合っていた高須警部補には、同僚とともに強姦され、激しく憎んでいた。
男性上位の警察組織の中で、女であることを否定せず、奔放に関係を結ぶ緑子。
現在は鮎川と付き合い、交通課の警察官の麻里とはレズビアンの関係を続けている。
セックスにオープンで、ともすれば自意識過剰なほどの緑子の独白が散文のように登場する。
とはいえ、警察官同士の軋轢はリアルで、肝心のビデオの捜査などは本格的で、飽きることはない。
同性愛の記述にはついていけないが、新しいタイプの女性刑事の活躍は面白い。

RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠 (角川文庫)

RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠 (角川文庫)