オーガニックレストラン

昼食をとるために、外を歩いていると、控えめな文字で「食堂」という看板。
見上げたところに、小洒落たアンティーク風の店があった。
何の料理を出すのかわからなかったが、とりあえず入ってみることにした。
円鏡か亀井静香のような顔をした女性が、満面の笑みをたたえて出迎えてくれた。
メニューを見ると、野菜を使った料理が中心で、肉料理はなかった。
有機野菜のカレーを注文した。付だしに出てきた見たこともない豆を食べた。
味はほとんど感じなかったが、身体に良さそうな感じがして、だんだんと美味しくなってきた。
カレーはスープの中にたくさんの種類の野菜が入っていた。スパイスが適度に効いて、非常に美味い。
いかにも身体に良さそうなモノを体内に取り入れているという感じで、ばくばく食べた。
料理は気に入った。でも、この手の店にありがちな従業員の偽善者のような笑みには抵抗がある。
美味しいものを客に食べさせて、満足そうな髭面の大将は、80年代のペンションにいそうな佇まいだった。
変な宗教に入れ込んでいるのか、学生運動で挫折を味わった成れの果てかと想像してしまった。
自分がひねくれた性根だということは、重々承知しているし、これはもう治らない。
ここまでけなしてしまったら、店の名前は書けないな。でも美味しかった。また行こう。