松坂世代

作者:矢崎良一|河出文庫
『ライバルたちは、九八年の夏、松坂と出会ったときに何かが始まった。
それは直接接点を持った者も、遠くから見詰めた者も変わらない。
あの時の松坂が残したもの、そのイメージに対して強烈な意識を持って努力を続けてきた。』
レッドソックスに移籍することになった、松坂の同級生を追ったドキュメンタリー。
3年前に出版された本の文庫化なので、情報が少し古いが、十分に面白かった。
チームメイト、甲子園で戦ったライバル達、遠くから眺めていた球児たち。
プロで活躍する和田、新垣、杉内、木佐貫、久保のエピソードも面白い。
でも、松坂を目指そうとして、挫折した選手達の話の方が惹かれた。
特に延長17回を戦ったPL学園の選手達のその後は、燃えカスのようだ。
全員実名で描かれるし、本人の描写は少ないが、同級生のエピソードが、松坂の強烈な存在を際立たせる。
ちなみに2ちゃんねるで「アッー」で大人気の多田野数人は、名前は出てくるが、エピソードの紹介はない。

松坂世代 (河出文庫)

松坂世代 (河出文庫)