姉飼

作者:遠藤徹角川ホラー文庫
第10回日本ホラー大賞受賞作の短編「姉飼」が文庫本になって登場。
村の祭りの「脂祭り」の夜に縁日で売られる「姉」
身体を串刺しにされ、凶暴に喚き散らす「姉」に僕は異様な興味を持った。
同じ村で、「姉」を買った人の家に行き、自分も手に入れたいと強く思う。
長じて村を出て、寿司職人になった「僕」は念願の「姉」を手に入れる。
だが、「姉」は1ヶ月ほどで死んでしまい、「姉」に対する渇望はますます強くなる。
グロテスクな描写に溢れた作品。「姉」の描写はCarcassの「Heartwork」のジャケットを連想した。

Heartwork

Heartwork

他に3篇収録されているが、独特の文体が印象的だ。
「キューブ・ガール」はダッチワイフの独白。
「ジャングル・ジム」はジャングルジムが人間の女性に恋をするシュールな話。
「妹の島」は瀬戸内海の果樹園で凶暴な昆虫に冒される経営者一族。
ただ、この3篇はあまり面白いと思わなかった。
姉飼 (角川ホラー文庫)

姉飼 (角川ホラー文庫)