ぼくだけのアイドル

作者:新堂冬樹|光文社
昆虫ショップ「ムシムシワールド」に勤めるニート青年が主人公。
アイドルオタクで、自分の都合のいい空想に浸り、周りから馬鹿にされる。
気が弱いくせに、口からでまかせを言い、ごまかそうとしてドツボにはまる。
虚勢を張って優位に立ったつもりが、あっけなく奈落の底に突き落とされる。
キャバクラで馬鹿にされ、風俗でひどい目にあうが、それは全て身から出た錆。
そんな彼にも彼女ができそうになるが、最後にどんでん返しが待っている。
ハッピーエンドにならないところが、暗黒小説の作者らしくていい。
軽くて、あっという間に読めるギャグで面白かった。
カブトやクワガタの昆虫の描写に詳しいのにも意外だった。
たまにはこういうのも良いが、あくまで作者に求めるのは暗黒小説だ。

ぼくだけの☆アイドル

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