ライバル

早実の斉藤と駒大苫小牧の田中は、第三者から見てもライバルだ。
一方で、普通の生活を送る人にライバルという存在は縁のないものだと思う。
「アイツには負けたくない」という感情を身近な誰かに持つことはあるかも知れない。
でも、それが「自分を高める存在」になっていなければ、ライバルとはいえない。
普通の生活を送ってくれば、ライバルを見つける機会は少ない。
学生時代は偏差値で輪切りにされ、似たような能力の者同士が集まる。
そこで、コイツには敵わないと思うような人に出会うことは稀だ。
気が合えば友人になり、そうでなければ、卒業後に忘れてしまう。
そんなぬるい人間関係は、学歴階級社会という輪切りの装置の中で形成される。
社会に出れば、競争を煽られるが、それは自分の立場を有利にするための保身になることが多い。
「負けたくない」から「出し抜いてやろう」「陥れよう」に変化する。
「負けたくない」けど相手を「尊重する」こともないから、ライバル関係ではない。
そんなギスギスした関係が嫌なので、多くの人が従順な羊になっている。
飲み屋で愚痴なんて醜悪だが、これが現実で、会社に飼いならされている。
でも、それを否定したいとは思わない。優しい人が増えているのは悪くない。
問題解決能力の無い人が増えているのには困ったものだけど。