カラマーゾフの兄弟

作者:ドストエフスキー|新潮社文庫
古典と言われている作品で、読んでいないものが結構ある。
この作品はいつか読もうと思っていて、2週間前から読み始めた。
上中下巻の2千ページ近い作品だが、正直言って、あまり面白くなかった。
時代や価値観が変わろうとしている、19世紀中期のロシアが舞台。
小金持ちの貴族フョードルと3人の息子ドミートリー、イワン、アリョーシャの物語。
フョードルは金に汚い道化物。ドミートリーは奔放な熱血漢。
イワンは思索にふける知性人。アリョーシャは敬虔な修道者。
父が殺され、ドミートリーが逮捕され、その裁判を描く物語。
とにかく、一人一人の台詞が意味もなく長い。
クライマックスの裁判でも、検事と弁護士の話が長すぎる。
おまけに、狂人、癲癇、ヒステリー、酒飲みが大量に登場する。
まともに思える登場人物も些細なことで、癇癪を起こしたり、突拍子もない行動をする。
上巻の最後に出てくる、イワンの世界観「大審問官」は面白いが、結局彼も狂ってしまう。
この時代のロシアは皆狂っていたのだろうか。
とは言え、イワンが発狂寸前に見た紳士のやり取りはすごい。
人は狂う寸前にこんな世界を見るのか?ここを読むだけでも価値はあったかな?

カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)

カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)