ローズガーデン

作者:桐野夏生講談社文庫
女探偵村野ミロのシリーズの3作目で、これは短編集。
前作を読んでいなければ、人間関係がわかりづらいが、それなりに面白い。
表題作の「ローズガーデン」は自殺したミロの過去の旦那が主役。
インドネシア出張中に、ミロとの出会いを思い出す話。
他の3作品は新宿を舞台に、ミロが探偵として活躍する話。
マンションに彷徨う自殺した女性の幽霊話の噂を解き明かし、
中国人ホステスと付き合っていた男が殺害された事件を調査して、
SMクラブの女王が不幸な鉄道事故で死亡した謎を追う。
ミロを取り巻く人物はゲイやレズなど癖のある人物ばかり。
彼女は自分の中にルールを持っているが、そこに女性らしさが見える。
対人関係に偏りがあるが、愛に関しては真摯。そんなイメージ。
この人の作品はいずれも面白い。でも少し物足りなさがある。
最初に読んだ「OUT」が抜群に面白かったからだろうな。
二番目は直木賞作品の「柔らかな頬」かな。