大往生の島

作者:佐野眞一|文春文庫
山口県愛媛県の瀬戸内海に浮かぶ周防大島を描いたルポ。
島内の住民のほとんどが65歳以上の過疎の島だが、暗さや寂しさは無い。
むしろ、こんなところでのんびりと過ごせたらなあと思えるほど。
貧しくても、綺麗な空と海と空気。老人同士助け合う生活。
高齢化社会を淡々と捉えていて、行政がこうあるべきだという押し付けはない。
自分の老後なんてまだ考える年でも無いが、東京で永住するのは難しいな。
自分の中で東京で住むということは、今の九段で住むということ。
死ぬまで住むのには金がかかりすぎる。いいところなのだけど。
戻るべき故郷がある人はいい。考え方を変えれば、不便でも住む家は保障されている。