顔に降りかかる雨

作者:桐野夏生講談社文庫
江戸川乱歩賞受賞の作者の出世作。10年以上前の作品。
夫が自殺し、仕事を辞めて、ブラブラと暮らす村野ミロが主人公。
彼女の親友が1億円を持って失踪し、ヤクザが彼女のマンションを訪ねてくる。
疑いをかけられたミロは彼女の愛人と一緒に、失踪した友人を探し始める。
オカマの占い師、ネオナチ、死体写真愛好家など、ミステリの要素は満たしている。
とはいえ、ハードボイルドの主人公を女性に持ってきたのは、かなりの冒険だったな。
作品は古臭さを感じるし、スリルはイマイチ無かったように思う。
でも面白かったし、何よりもミロの人物造詣が良かった。
最近文庫本になった「ダーク」までの作品を読んでみよう。