夜の河を渡れ

作者:梁石日光文社文庫
新宿を舞台に、二人の在日朝鮮人がのし上がっていく物語。バブル期が舞台。
李と朴は民族学校の同級生で、二人とも独立してホテトル業を営んでいた。
独立心旺盛な二人は、ポーカー賭博の店を開店することを決める。
足りない資金は従業員の同胞たちから調達する。
ポーカー賭博の店は成功し、二人の下には後輩や様々な人物が集まるようになる。
とんとん拍子に事業展開を進めていくが、ビルの買収を巡り、泥沼に陥る。
ヤクザにはめられ、二人きりでビルを占拠する李と朴。

アウトロー小説とオビに書かれていたが、これは青春小説だと思う。
確かに二人のやっていることは非合法なのだが、仲間を裏切るシーンはない。
希望を抱かせる結末も、この作家にしては意外だった。でも面白かった。
もう少し結末を延ばしても飽きないくらいだった。

夜の河を渡れ (光文社文庫)

夜の河を渡れ (光文社文庫)