黒魔館の惨劇

作者:友成純一光文社文庫
ロンドンのある幽霊屋敷を巡る5つの連作集。住民はいずれも日本人。
最初の「幽霊屋敷」はありきたりのオーソドックスなホラー。
2編目の「異邦人の街」は幻想的な雰囲気で面白かった。
「ロンドンには英国人がいなくて、過去の霊が守護している」という視点が良い。
その後の「不死者、目覚める」「闇が軋る」でだんだんと霊の正体が明らかになる。
墓石を蹴り倒す少年達によって、過去の聖十字騎士団の亡霊が解き放たれる。
日本料理の店長がヴァンパイアと対決する一夜。ここまでは面白かった。
最終話の「黒魔術の館」が全然面白くなかったので、ぶち壊しだった。
この作家の話は何作か読んだ。盛り上げるのは上手いが、収拾をつけるのが下手。
この小説もその典型で、途中までは面白いのだが。

黒魔館の惨劇 (光文社文庫)

黒魔館の惨劇 (光文社文庫)