毒蟲VS.溝鼠

作者:新堂冬樹徳間書店
「溝鼠」で作者が作り出した最低最悪のキャラクター鷹場が出てくる続編。
もう一人の主人公「別れさせ屋」の「ドリームサポート」を営む大黒。
登場のっけから、若い女性を引きずり倒し、老婆を足蹴にするイカレっぷり。
大黒は巨大な毒蜘蛛やムカデ、さそりを使い、ターゲットを拷問にかける「毒蟲」。
誰もが恐れる大黒だが、婚約者を奪われ、鷹場に拷問を受けた過去を持つ。
一方、ヤクザの組長を殺害し、マニラに逃亡していた鷹場は日本に戻ってくる。
以前の「幸福企画」の名前を「青い鳥企画」を変え、復讐代行業を復活させる。
「溝鼠」より卑怯さ、残酷さがパワーアップした鷹場の元に変態どもが集結。
執拗に鷹場を狙っている大黒とターゲットが一致し、毒蟲と溝鼠の戦いが始まる。
とにかくサディストと変質者がいっぱい出てくる。拷問の仕方は尋常ではない。
オビに書かれていた「2006年の有害図書No1」というのは頷ける。
相手の性器を壊し、毒虫を這わせ、傷口にわさびや辛子を刷り込む。
読んでいて気分の悪くなる小説だが、これが新堂冬樹にしか書けない胸糞悪さだ。
罵詈雑言のバラエティーの豊かさも一級品だ。
最近の変な恋愛小説は他人に任せて、こっちの路線に突き進んで欲しいと思う。

毒蟲vs.溝鼠

毒蟲vs.溝鼠