警察小説競作「決断」

新潮社編|新潮社文庫
6人の作家による警察を舞台にした短編集。それぞれそれなりに面白かった。
逢坂剛の「昔なじみ」は詐欺師まがいの主人公が偽警官を騙そうとする話。
佐々木譲の「逸脱」は北海道の駐在に赴任した元刑事が地元の闇と向かう話。
柴田よしきの「大根の花」は東京下町で起きた些細な事件をコンビが追う話。
戸梶圭太の「闇を駆け抜けろ」は安っぽい若者と警官のチェイスの話。
貫井徳朗の「ストックホルムの埋み火」は外国が舞台で、オタクが犯人。
横山秀夫の「暗箱」は地方警察で、誤認逮捕に怯える老刑事の話。
最近、パワーダウンを感じていたが、戸梶の話は並べてみると他の作品とは異色で、面白い。
逆に貫井徳朗の話は面白いのだけど、この中でひねった作品は疑問。
横山秀夫の話は相変わらず、地方警察の話で、少しマンネリ。
逢坂剛は面白くないし、柴田よしきは初めて読んだが、ホモの刑事には嫌悪感。
佐々木譲の話は良かった。これが収穫かな。

決断―警察小説競作 (新潮文庫)

決断―警察小説競作 (新潮文庫)