空夜

作者:箒木蓬生|講談社文庫
寂れた村で、ワイン工場を営む家族と暮らす真紀は、病弱で希望がなかった。
少し離れた町の俊子のブティックで買い物をするのが、唯一の気晴らしだった。
そんな中、初恋の相手の慎一が、村の医者として赴任してくる。
慎一は村おこしのために、夏祭りの復活や、様々な企画をする。
再会したときから、慎一に惹かれる真紀。だが彼女には夫と子供がいる。
一方、俊子は10歳年下の研究者と不倫関係にあった。
2組の男女を描いた小説だが、退屈な田舎の景色をきれいに描いている。
片方は悲劇的な別れになるが、もう一方は続編がありそうな終了シーン。
不倫のことはどうでもよく、この話は寂れた田舎の景色の描き方がすばらしい。

空夜 (講談社文庫)

空夜 (講談社文庫)