怪談徒然草

作者:加門七海角川ホラー文庫
やたらと「見えてしまう」作家が、四夜に渡って怪談を語った内容を収録。
構成が新鮮で、聞いたことのないタイプの話があったのがよかった。
神社で見える不思議な景色や、作者自身が絶対に近づきたくない震災記念堂。
町工場に併設された扉を塗りこめられた不気味な雰囲気の寮。
今まで作者が封印していた、最終話に出てくる三角屋敷。
座談会のような形式の合間に、作者の様々な怪談が語られる。
特に三角屋敷の話は面白かった。どこにあるのか知りたくなった。
面白いのだが、作者の口調がだんだんと乱暴になるのが好きになれなかった。
「馬鹿野郎」とか「お前なにやってんだよ」とか女性とは思えない。
もしかしたら、話している間に悪霊にとりつかれてしまったのか?
過去に何冊かこの人の作品を読み、面白くないという印象があったが、これはイイ。

怪談徒然草 (角川ホラー文庫)

怪談徒然草 (角川ホラー文庫)