消し屋A

作者:ヒキタクニオ|文春文庫
福岡にたどり着いた、消し屋の幸三とオカマの蘭子。
野球賭博を生業とするヤクザから仕事の依頼を受ける。
地元球団のスター選手を1日だけ、試合に出場できないようにすること。
幸三は彼女である蘭子の勤めるオカマバーに通いつつ、ターゲットを調べる。
生き別れになった父親にウィークポイントがあるとつかんだ幸三は、接触を図る。
父親を探し出した幸三は、ターゲットを脅迫にかかる。
おかしな薀蓄や、オカマの生態を描いているところは不思議な雰囲気。
ターゲットの父親が博打にのめりこみ、破滅するところは迫力がある。
面白い小説なのだが、イマイチ魅力が欠けるのは幸三を描ききれてないところか?
「狂気の桜」もそうだったが、独自の世界観を展開する作家だ。

消し屋A (文春文庫)

消し屋A (文春文庫)