黙過の代償

作者:森山赳志|講談社NOVELS
第33回メフィスト賞受賞作。あまり宣伝もされていないようだ。
オビには「国際派ハードボイルドミステリの大型新人あらわる!」
福岡に住む大学生の秋月昌平は、瀕死の韓国人から、あるものを渡される。
「これを大統領に渡して欲しい」といい、韓国人は死亡してしまった。
在日のヤクザの協力を得た秋月は、韓国大統領に会おうと本気で思い込む。
一方、韓国の大統領は出自のことで何者かに脅迫を受けながらも、来日する。
秋月と大統領の面会を阻もうとする韓国の組織。誰が裏切っているのか判らない。
秋月を助けようとする在日ヤクザ、探偵、ドロップアウトした警官。
ストーリーは悪くないのだが、秋月の死を恐れない振る舞いは現実感に乏しい。
ハードボイルドとしても、ミステリーとしても中途半端な印象だ。
日韓同時発売とのことだが、韓国では売れるのだろうか?日本ではダメだろう。

黙過の代償 (講談社ノベルス)

黙過の代償 (講談社ノベルス)