殺人鬼Ⅱ

作者:綾辻行人|新潮社文庫
えぐいと聞いていた作品。「殺人鬼」を再読してから、これを読んだ。
双葉山中に潜む殺人鬼がふもとに出てきて、旅行中の一家を血祭りにする。
スタートから小さい子供まで惨殺して、容赦がない。前作より期待できる。
病院に泊まった姉弟が殺人鬼から逃げ惑うのが主題になっているのが本作。
被害にあう人達の殺され方は、前作をはるかに凌いでいる。
顔面を切り裂かれ、消火器の中身を口の中にぶちまかれ、腸を引きずりだされ、
手足を順番に切断され、木刀を喉から押し込まれる。
確かに殺され方に関しては、嫌な描写が続くが、怖さはあまり感じなかった。
ゴチックで「殺す。殺す。殺す。」の文字が目立ちすぎで、ギャグかと思った。
他人の「目」になる能力を持った主人公の設定も役に立っていないし、
嫌な殺され方を読むには面白かったが、ミステリーとしては前作の方が良かった。
単なるスプラッタ小説だと思う。

殺人鬼〈2〉―逆襲篇 (新潮文庫)

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