北京原人の日

作者:鯨統一郎講談社文庫
銀座の空中から軍服の老人が突如墜落してきた。
死体となった老人のポケットには北京原人の化石があった。
現場に居合わせたカメラマンの達也は雑誌編集者のさゆりと謎を追う。
戦時中に存在したとされる999部隊に鍵があると、生存者を探すが、
突き止めた途端、次々と殺される。いつしか容疑者になった二人。
太平洋戦争開戦の背景や、ヒトラーとの同盟のことなど詳しく説明され、
マレーの山下将軍の財宝や、国鉄下山総裁の轢死事件の謎も背景に現れる。
歴史好きには面白いし、北京原人の化石の隠し場所の暗号文の解読も上手い。
500ページを越える作品だが、テンポもよく、読みやすい作品だった。
だが手放しで面白いかといえば、少し疑問。人物描写が薄っぺらいからかな?